2日目その⑦ オルセー美術館③ 2階で彫刻、1階でドガ&マネ(2019年10月24日)




    
13時。

    
オルセー美術館の2階にあるレストラン

    
ミュゼ・ドゥ・オルセー・レストランでランチを済ませた私たちは

    再び展示品の見学へ。




        
←吹き抜けの渡り廊下に出ました

        

        
←天井

        

        
←一番奥にある時計が

                                              近くで見られます


        

        




    2階からは、このように吹き抜けを眺めることができます。

    以前は、ゴッホやゴーギャンの作品などが展示されていたようですが、

    2019年10月現在は、

    セーヌ川側の廊下が改修工事を行っていて、

    中に入れないようになっていました。

    (
ゴッホ&ゴーギャンの作品は5階にありました。

     5階の展示の様子は、コチラをどうぞ)




        

        

        




    で、2階には他に何があるかというと、

    
彫刻群のテラスがあります。




    時間があまりない人向けのモデルコースを見ると、

    ここは省かれていることも多く、

    実際、私自身もそれほど長い時間は割かなかったのですが

    それでも油断ならないのが、世界有数の美術館ならでは。




        

        
←バックショット!

        




    なんともセクスィーなのけぞり彫像だな~と

    のんきに思って写真を撮っておきましたが、

    後になって調べたら、フランスのリエヴァンという町の炭鉱で起きた

    ガス爆発の被害にあった人を描いた作品のようです。

    
アンリ・レオン・グレベールという彫刻家の作品です。

    

    
        
←レオン=オーギュスタン・レルミット

                                              「刈取りの日当」

 
        
←ポール=アルベール・バルトロメ

                                     「温室の中」





    さらに、こんな彫像も。




        
←ルイ=アーネスト・バリアス


        

        
←向かいの1階に大きな絵画が見えました

        
←トーマス・クチュール

                                              「デカダンスのローマ人」


        
←なにげにガウディ!

        

        

        

        
   
        
←ロダン

        

        




    彫刻のテラスを抜けたら、

    最後に
1階へと向かいましょー!









        
←わかりますか?

                                     パリ市街の模型が足下に見えます


        
←ドガ

        

        
←クールベ

                                              「牡鹿の闘い」





    さて、
1階(地上階)5階&2階と違って、

    
作品を探すのがちょっと大変です。




    5階は、シンプルに順路に沿って

    まっすぐ進めば、

    作品を見落とす可能性が少ないのですが、

    1階は、小さな部屋に分かれている上、

    吹き抜け廊下の内側と外側、両方に展示品があるからです。




    とりあえず、

    階段を下りてすぐのところにある

    
Salle23の方から見ていくことにしました。




        
←セザンヌ

                                     「アシル・アンプレールの肖像」


        
←セザンヌ

                                              「白と黒の静物」


        
←モネ

                                              「菊」


        
←マネ

                                     「バルコニー」




    そして、
Salle23~15を見て出ると…




        





    企画展のエリアがあって、

    私たちが行った2019年10月は、

    
「オペラ座のドガ」の企画展が行われていました。




    この企画展エリアにも
無料で入ることができました。




        
←オペラ・ガルニエの

                                              断面模型

                                              今回の旅では中に入れなかったけど

                                              次回パリに行くときは

                                              見学できたらいいなぁ


        
←オペラ・ガルニエの

                                     舞台模型




    今回は、スケジュールの都合で

    オペラ・ガルニエの見学を

    予定に入れられなかったのだけれど、

    模型を見ただけで、

    やっぱり見学したかったなぁ~なんて。




    というわけで、

    ここからは
ドガ

    オペラ座で踊る踊り子たちを描いた作品のオンパレード。




    さすがに全部の写真は撮り切れなかったので、

    ほんのちょっとですが、ご紹介します。




        
←「ダンス教室」

        
←「ダンスのレッスン」

        
←「ル・ペルティエ街のオペラ座の稽古場」

        
←「舞台上でのバレエの稽古」

        
←「ダンスの審査」

        
←「スター(舞台上の踊り子)」

        
←「14歳の小さな踊り子」

        




    
「踊り子」という訳からも

    なんとなく察することができるように、

    この当時、まだバレエは“芸術”とか“ダンサー”といった

    花形の職業、というより、

    労働者階級の女性たちが、

    オペラ座に見に来るお金持ちたちに

    パトロンになってもらうため

    必死になってやった職業でした。




    緊張感のあるダンスのレッスンや
 
    本番前の舞台袖、ステージでの踊り子たち…




    比較的お金持ちの中産階級に生まれ、

    裕福に育ちながらも

    父親が亡くなった後、借金があることが判明し、

    必死で絵を売って返済したドガには、

    何か思うところがあったのかもしれませんね。









    さて、企画展エリアを見終えたら、

    怒涛の終盤戦に突入です。




        
←ギュースタヴ・モロー

                                      「ガラテイア」


        
←ゴッホ「サン=レミのサン・ポール病院」

        
←セザンヌ

                                              「開いた引き出しのある静物画」

        
←セザンヌ

                                     「ピンクの背景の自画像」





    そして、私がどうしても見たかった作品を

    この近くで見つけることができました!




        




    
マネ「横笛を吹く少年」です。

    日本の浮世絵の技術の影響を受けていると言われるこの作品。

    マネの作品の中でも、好きな作品なんです。




        
←というわけで、記念写真(笑)




    そして、もう一つ。

    この階で見たかったのが…




        




    同じく
マネ「オランピア」です。

    オランピアは、人の名前などではなく、

    娼婦を意味しています。




    私は、アングルの「グランド・オダリスク」という作品が大好きなのですが、

    「グランド・オダリスク」も

    このマネの「オランピア」も

    ティツィアーノの「ウルヴィーノのヴィーナス」を参考に描かれています。




    同じ横たわる裸婦なのですが、

    「グランド・オダリスク」が、こちらに背中を向けて

    ちらっとこちらを見ているような感じなのに比べて

    「オランピア」で描かれている女性は、

    こちらを堂々と見つめています。




    さらに黒人の女中が、だれかお客からのものと思われる

    花束を私に来ています。




    そもそも、当時タブーとされていた

    現実の女性の裸体を描いたことに加え

    (当時の女性の裸体は、ヴィーナスなど神話を描いたもののみでした)

    伝統的な柔らかみのある裸体ではなく、

    のっぺりと平面的な裸体。

    これは、浮世絵の影響を受けたと言われています。




    さまざまなことに挑戦的なマネが

    当時のサロンの古い慣習、考え方に大きな一石を投じる

    きっかけになった作品なのです。









        




    
14時20分

    見学を終えて、
オルセー美術館の外に出ました。




    私たちが美術館の中に入ったのは、

    9時50分だったので、

    食事や買い物の時間も含めてですが、

    
約4時間半、見学していたということです。




    それでも実は、ちょっと足りないくらいでした。

    というのも、

    本当は、あと2つどうしても見たい作品があったのです。




    それは、
ミレー「落穂ひろい」

    
ロートレック「踊るジャンヌ・アヴリル」です。




    もちろん探してみたのですが、

    まったく見つからず、

    次のルーヴル美術館の見学を15時に予約していたので

    結局あきらめてしまいました。





    この2つの作品が見当たらなかったのは、

    私の探し方が悪かったのか、

    それとも、そもそもこの時期には展示していなかったのか

    わかりませんでした。





    それに、ぱーーっと流してみた作品も多くて、

    もしかしたら、気づかなかった名作もあったかもしれません。

    そう思うと、
オルセー美術館の見学には、

    
5時間くらい見込んでいてもよかったなぁと思いました。

    
(あくまで個人の見解です)




    もしまたオルセー美術館に来られることがあったら、

    次回はもっと余裕を持って見学したいです。

    (と、いつも言っているような気もしますが。笑)





         

         

         ←セーヌ川越しにルーブル美術館を眺めて