2日目その⑤ オルセー美術館① 5階印象派フロアを堪能する(2019年10月24日)




    
9時20分。




        
←リヴォリ通りを渡ります

        
←横にはジャンヌダルクの騎馬像が

        
←晴れて気持ちいー!!

        
←チュイルリー庭園へ




    
ミュージアムパスを手に入れた私たちは、

    
ピラミッド広場(Place des Pyramides)から

    
チュイルリー庭園(Jardin des Tuileries)を通って

    
オルセー美術館へと向かいました。




        
←セーヌ川超しに

                                              オルセー美術館が見えてきました


        




    私は、今回ホントーーーーに
オルセー美術館に来たかったんです!!!




    パリに来るのは2005年以来14年ぶりだったのですが、

    そのときはオルセー美術館に行く時間がなくて。

    オルセー美術館に来るのは、

    なんと1994年以来、実に四半世紀ぶりで。




    当時は、まだ改装する前だったので、

    今回は、ぜひとも
オルセー美術館に来たかったのです!!




        
←何枚でも写真撮っちゃうよねー

        

        


    このまま何枚でも写真を撮っていたいくらいですが、

    
オルセー美術館は9時半オープン

    オープンと同時に入りたいので、早々に向かいます。




        

        

        

        

        




    
オルセー美術館の入口は、

    セーヌ川沿いの向かって一番右端にあります。




         

         

         

         
←入口

         
←ミュージアムパスを持っている人が

                                      並ぶ列のインフォメーションがありました

         

         


    ぎゃあああ~

    まさかまさかの大行列が!!




    しかも、この行列。

    チケットを購入するための行列ではなく、

    チケット購入の行列はまた別にあって、

    こちらは、すでにチケットを持っている人が

    入場を待つための列だったのです。




    マジか!




    私は、ここにきて

    自分が完全に誤解していたことに気づきました。




    私は、パリの多くの美術館や施設に使える

    ミュージアムパスを購入してあって、

    「チケットを買わずに済んで楽だった!」とか

    「チケットに並ぶ人たちを横目にすぐに入れてよかった!」

    などという口コミを見て、

    てっきりミュージアムパスは、ファストパスのような機能を持つチケット

    だと勝手に勘違いしていたのです。




    確かに
ミュージアムパスを持っていれば、

    チケットを買わなくていいのですが、

    それはあくまで
チケットを買う行列に並ばずに済むというだけで、

    けして
ファストパスではないのです。




    つまり。

    私たちも入場のために行列に並ばなくてはならなかったのです。




    でもまあ、まだ入場前だし

    入場が始まれば、すぐに中に入れるでしょう。

    と、これまた見当違いな高をくくっていましたが。




    
9時半ちょうどに入口は開いたのですが、

    行列が、なかなか前に進んでくれません。




    最初は、なんでこんなに進まないんだろうと思っていましたが

    外から中の様子が見えるようになってわかりました。




        
←外からセキュリティチェックの様子が

                                              見えました





    荷物をX線に通したりして

    空港並みにしっかりセキュリティチェックしているにもかかわらず、

    
ゲートが2つしかなく、

    観光客の人数に対して、

    あきらかに
ゲートの数が少なすぎるのです。




    しかも、お国柄なのかスタッフも

    行列を全く気にすることなくゆっくりやっていて

    てっきりほぼ9時半と同時に中に入れるとばかり思っていた私は

    ちょっとイライラ。




    結局、入口が開いてから中に入れるまでに

    
20分かかりました。




    しまったーーーー。

    9時半ちょっと前とかじゃなく、

    
もっと早く来るべきだったーーーー!!




        
←入口の前に並んでいる彫刻

        
←ミュージアムパスを持っている人の入口は「C」です

                                              チケットを持っていない方は「A」の入口で

                                              購入する必要があります


        









    
9時50分すぎ

    セキュリティチェックを終えて、中に入ると。




        
←ここでミュージアムパスを見せて入ります

        

        
←インフォメーション




    インフォーメーションで

    
オーディオガイダンス 5ユーロ(約680円)

    を借りました。




    もちろん日本語のオーディオガイダンスです。




    
オルセー美術館のオーディオガイダンスは、

    とても操作が簡単で、

    内容もとてもわかりやすくて、
借りてよかったなぁと思いました。




    もし、オーディオガイダンスを1つ1つ

    ちゃんと聞きながらオルセー美術館を周ったら

    きっとそれだけで1日潰せちゃうんじゃないかと思うくらいで

    最後の方は時間が足りなくなって、

    興味のある作品だけ、飛ばし飛ばし聞いて回ったので

    もったいなかったなぁと思うくらいでした。




    時間さえあれば、1日潰せちゃうくらい、

    今回あちこち見て回った美術館の中でも

    やっぱりオルセー美術館が大好きです




        

        




    朝の光が建物の奥から入ってきて

    なんだか神々しくさえあります。




    
オルセー美術館に来るのが久しぶりすぎて、

    この光景を見ただけで

    なんだか感動してしまいました。




        
←逆光だけど撮るよねー

        




    そして、入ってきた方を振り返ると…





        ←改装前からある大時計

        




    
オルセー美術館と言えば

    まずはやっぱり、この
大時計ですよねー。




    大時計を見上げたら、

    
ああ、オルセー美術館にようやく来られたんだなぁ

    って、なんだかしみじみしちゃいました。




    まだ、何も作品を見てないのに(笑)





        

        









    
早速、見て回ります。

    私たちは、1階の吹き抜けの廊下を抜けて

    まずは
一番奥にあるエレベーター

    
最上階の5階に上って

    下りてくることにしました。





         ←地上階(1階)すぐにある

                                      自由の女神像

                                      朝の光を受けて、めちゃ美しいです

         

         ←真ん中の吹き抜けに彫刻

                                      両サイドに絵画が並んでいます

         

         

         ←真ん中あたりでも撮るよねー(笑)




    エレベーターは、

    入口から向かって左奥にあります。




        
←エレベーター内

        

        




    最上階の
5階で降りると。




         

         




    大時計の裏側
に出ました。




    大時計、と言っても…




        
←こっちの時計じゃありません




    入口にあったこちらの大時計ではありません。

    では、どこの時計かというと…




        

        
←これです




    セーヌ川に面した
建物の真ん中にある大時計の裏側です。




         
←外の景色がうっすら見えるのがわかりますが

         
←撮ってみたけど、完全に逆光でした…









    というわけで。

    早速、この5階にある絵画たちを見ていきます。

    ここは
印象派ギャラリーです。




        

        




    まず目に飛び込んでくるのは、

    2枚の形が異なるキャンバスに描かれ

    1つの作品になっている

    
モネの「草上の昼食」です。




    柔らかな日差しの中、

    紳士淑女が集い、チキンやワインなどを楽しんでいます。




    この絵の近くにあるのが…




        




    
マネの「草上の昼食」

    乳白色の肌の女性がなまめかしく

    発表した1906年当時、大きな論争を呼んだ作品です。




    そして、そうなんです。

    上の2つの作品は、同じタイトル。




    モネは、マネが描いたこの作品にインスピーレーションを受けて

    「草上の昼食」を描き上げたんだそうです。




    一方、モネにマネされたマネ(ややこしい…笑)の方は

    当初、この作品に「水浴」というタイトルを付けていましたが、

    この一件を機に、モネに対抗して

    タイトルを同じ「草上の昼食」に改題。




    マネがモネにマネされて(言いたいだけ。笑)

    わざわざ同じタイトルにしちゃうなんて、

    当時の画家たちの対抗心が見えて面白いですね。




        
←モネ「ザーンダム」

        
←シスレー「せせらぎでの憩い、森のはずれ」

        
←モネ「ひなげしの花」

        
←ルノワール「ブランコ」




    名画が何の気なしにズラズラっと並びます。




    その奥には




        




    多くの人が眺めていたのは

    ルノワールの名作中の名作

    
「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」です。




         

        

        

        




    ミーハー的には、

    こうやって名画を見た思い出の写真が残せるのは

    うれしいところですね。




        
←モネ「モントルグイユ街、1878年6月30日の祝祭」

        
←ルノワール「劇場の桟敷席(音楽会にて)」




    
ルノワールの「劇場の桟敷席(音楽会にて)」

    あまり見たことない作品だなぁと思って

    写真に撮って、日本に帰って調べてみたら

    通常は、アメリカ・ボストンから車で3時間のところにある

    
クラーク美術館が所蔵しているもので、

    たまたまこの時期、オルセーに来ていたようです。




    さりげなさすぎるーーー!!!




        
←ルノワール 

                                     左「都会の踊り」 右「田舎の踊り」


        

        
←部屋は広いですが

                                              やっぱり有名な作品の前には

                                              人がたくさん集まります


        
←モネ「散歩、日傘をさす女」

        

        

        




    いわば、すべてが見どころ

    絵を見て、オーディオガイドを聞いて、

    人がいなくなったら、さっと写真を撮って

    と大忙しです(笑)




        
←疲れたら椅子に座って休めます

                                              実はこの椅子、

                                              日本人アーティスト、吉岡徳仁さんのデザインで

                                              「Water Block」という

                                              作品名がついています





    さらに名画が続きます




        
←モネ「解氷」




    モネは、「睡蓮」や「ルーアン大聖堂」「日の出」「積みわら」など

    同じ風景、同じモチーフを

    何度も季節や角度や色を変えて描いてますが

    なにげに川に浮かんだ溶けた氷も好きで

    何度も描いてるんですよね。




    冬から春にかけての

    温かくなり始めたころ、

    そんな時季が好きだったのかなぁ

    と思いを馳せずにいられません。




    そして、この奥に

    テラスに出られる場所がありました。




        

        

        

        
←ルーブル美術館も見えます

        
←モンマルトルの丘の方が見えました




    はああ~~

    
気持ちいいーーー!!




    セーヌ川越しに

    パリの眺めを堪能したら、

    再び部屋に戻ります。





        
←モネ「ロンドン国会議事堂 霧を貫く陽光」




    この辺りから、

    
怒涛のモネ祭り(笑)

    わっしょいわっしょい!!

    モネ好き的には、たまらないエリアに突入です。




        
←モネ「青い睡蓮」

        

        

        
←モネ「積みわら 夏の終わり」

                                              この光の色合いが

                                              何とも言えず美しいですねー


        
←いろんな「ルーアン大聖堂」が並びます

        

        

        




    モネも素晴らしいですが、

    そのモネをはじめとする印象派に影響を受けた

    この方の絵も好きです。




        
←スーラ「サーカス」




    点描による細かい描法に見とれちゃうんですよねー。




    そして、もう一つ。

    私的には、このフロアのメインイベントだったと言っても

    過言ではありません。




    奥の方にある部屋

    
Salle35にあるのが…




        

        




    私は、この

    
ルノワールの「ピアノに寄る少女たち」という作品が

    大好きなのです。




    もちろん、ここでご紹介した以外にも

    この5階フロアには数限りない名画が並んでいるのですが、

    「ピアノに寄る少女たち」が見られただけでも

    パリまで来た甲斐があった!!

    という感じで、感激しました。









    そして、名画のある部屋を通り抜けると。




        
←カフェ・カンパーナ

                                              右側の丸い窓は

                                              もう一つある大時計の裏側です





    11時すぎは、まだ開いていませんでしたが、

    
「カフェ・カンパーナ(The Cafe Campana)という

    レストランがあります




        
←メニューの字、小さっ

        

        




    
サラダ 10~16ユーロ(約1350円~約2160円)

    
トマトペンネ 14ユーロ(約1890円)

    
ほうれん草とリコッタのニョッキ 16ユーロ(約2160円)

    
ラザニア 16ユーロ(約2160円)




    と、正直なかなかなお値段ですが

    ここはパリですし、

    何と言ってもオルセー美術館の中なので

    こんなものかなぁと




    そして、このカフェ・カンパーナを通り過ぎると。




        
←渡り廊下があって、通り抜けると…

        
←吹き抜けを上から一望することができます




    オルセー美術館は、

    非常にシンプルな長方形をしているので

    とても見学がしやすいです。




    セーヌ川サイドの見学を終えたら、

    吹き抜けを横切り、もう片方のサイドを見学です。









        
←切り絵が美しい廊下を通って…

        




    こちらには、それほど注目されるような

    絵画はないのかな

    と思って、ささっと通り抜けようと思っていたら…




        
←ゴーギャン

                                              「タヒチの女たち」


        
←ゴーギャン

                                              「黄金色の女たちの肉体」




    さ…さりげなさすぎる!!




    私が持っていたガイドブックには

    ゴーギャンとゴッホは2階にあるとあったのですが、

    2019年10月現在、

    
ゴーギャンとゴッホは、5階南側廊下にありました。




    
も~油断できないわぁ~(笑)




         
←彫刻があまりにラブリーで

                                      おもわずパチリ





    この辺りは、さらにゴーギャンが続きます。




        
←ゴーギャン「ヴァイルマティ」

        
←ゴーギャン「アレアレア(喜び)」




    その昔、若かりし頃は

    ゴーギャンの絵の魅力が

    いまいちよくわかりませんでしたが、

    いろんな国に旅をして、年を重ねてみると

    温暖なタヒチの気候や独特な文化に

    惹かれるゴーギャンの気持ちがわかるような気がして

    本当にゴーギャンはタヒチが大好きだったんだなぁって

    しみじみしちゃう




        
←周りの木枠もゴーギャンによるもの

                                     
こんな展示の仕方もさりげなくて好き

        
←ゴーギャンがこうした作品も

                                              残しているとは知りませんでした


        



 
    そして、ゴーギャンのエリアを抜けると

    ゴッホのエリアに突入です。




        

        




    見るからにガンコそうなおじさんが見つめていますねー(笑)





    この
ゴッホの「自画像」を皮切りに

    ゴッホ好きにはたまらない絵がズラリ。

    ゴッホまみれになって、もだえちゃってください(笑い)




        
←ゴッホ「コルドヴィルの藁ぶき屋根の家」

        
←ゴッホ「オーヴェルのガシェ医師の庭」

        
←ゴッホ「2人の少女」

        
←ゴッホ「庭のガシェ嬢」

        
←ゴッホ「銅の花器のフリティラリア」
 
        
←ゴッホ「オーヴェール・シュル・オワーズの教会」

        
←ゴッホ「アルルのゴッホの部屋」

        
←ゴッホ「自画像」




    最初に紹介した

    あまりに有名な
“青渦巻き自画像”(←私が勝手に命名しました。笑)の

    2年前(1987年秋)に描かれた
「自画像」も同じ部屋にありました。




    このときのゴッホは、

    まだ左耳を切り落とす事件を起こす前のものです。

    最初に紹介した“青渦巻き自画像”は1989年のもので、

    ゴッホはこの間の1988年に、

    アルルに行き、ゴーギャンと共同生活をしています。




    しかし、2人はことごとく意見が合わず、

    ゴーギャンは彼の元を去っていきます。




    そして、有名な耳切り事件が起きてしまうのです。




    オーヴェルは、そうして精神をむしばまれてしまったゴッホが

    最期を迎える地で

    彼の人生を知ってからオルセー美術館に来ると

    なんだかしみじみしますね。




    そんな中で、私が一番好きな作品は、やはりこれ。




        

        




    
ゴッホ「ローヌ川の星月夜」です。




    ゴッホが、ゴーギャンと共同生活を始める前、

    アルルでゴーギャンが来るのを待ちわびながら描いた作品。




    川に映るキラキラした星々が、とてもロマンティックで、

    右下に描かれたカップル2人も

    まるでゴッホとゴーギャンの未来の姿を描いているようで

    ゴッホのウキウキした様子が伝わってくるようです。

    このときのゴッホの気持ちと、

    そのあと待ち受ける運命を考えると

    なんだかとても切なくなります。




    以前、
ニューヨーク近代美術館(MOMA)に行ったとき、

    やはりゴッホの「星月夜」を見ましたが

    MOMAにある方の「星月夜」は、

    耳を切り落とした後、療養生活を送りながら描いた作品です。




    同じ「星月夜」でも

    
めっちゃ渦巻き巻きです(笑)




    見比べてみると、

    同じモチーフでも、描かれ方が全然違っていて

    ますますゴッホという画家の人生に

    興味をそそられてしまうのです。

    (私がニューヨークで「星月夜」を見た時の様子はコチラをどうぞ)









    
11時半すぎ

    入場してから、
1時間40分ほどで5階を見終えました。




    これでも私的にはだいぶ駆け足で見ているので、

    もっとゆっくり他の作品も見ていたら

    
5階だけでもゆうに2時間は超えていたかな

    と、思います。




    ただ、ありがたいことに、

    オルセー美術館の構造は非常にシンプルなので

    私のようなほんのり方向音痴でも

    迷うことなく見やすいのはありがたいです。




    そして、恐ろしいことに

    オルセー美術館には、

    まだ2階と1階があります。




    さあ、
2階に下りていきますよー