2日目その② 安平地区をめぐる①安平樹屋(2018年11月17日)
今回、初めて台南を刊行するにあたり、
とにかく悩んだのが交通手段。
ネットなどで台南市内の地図を見ることはできても、
距離感などは、やはり現地に来てみないと
いまいちピンとこない。
しかも、私たちはこの日、
街中からちょっと外れた安平地区を観光しようと思っていて。
地下鉄や電車などがない台南で
バスで行くのか、タクシーで行くのか、車をチャーターするのか
さんざん悩んで。
結局決めないまま台南に来て、
最後は、宿泊したシャングリラ・ファーイースタン・プラザホテルの
レセプションで相談。
相談に乗ってくれたレセプションのスタッフは、
バスでも行けるけれど、時間もかかるし
初心者であれば、やはりタクシーで行くのがいいですよ
というので。
まずはタクシーで安平樹屋へと向かうことにしました。
←シャングリラ・ファーイースタン・プラザホテルのロビー
←ホテルの玄関を出たところ
大きいホテルは、スタッフがすぐにタクシーを呼んでくれて、
行先まで運転手さんに告げてくれて、ありがたいですねー。
ちなみに、安平樹屋は中国語でアンピンシュウーと言います。
と言っても、私は中国語の発音はさっぱりですけど(笑)
←タクシーの中から…
タクシーに乗ってすぐ、
台南車站の後站(裏口)が見えてきました。
シャングリラ・ファーイースタン・プラザホテル台南は、
駅の裏側にあるのです。
このときは、さほど意識していなかったのですが、
ホテルへの行き来は、ずっとタクシーを使っていたので、
明るい時間に台南車站をちゃんと見たのは、
この旅では、このときが最初で最後でした。
←赤崁樓
しばらくすると、台南名物の檐仔麺で有名な度小月と、
そのすぐ近くにある赤崁樓が見えてきました。
度小月といえば、台北の永康街にもありますが、
こちらが本店。
永康街のスタイリッシュな雰囲気とはちょっと違って、
地元感たっぷりの看板。
どちらが好きかはそれぞれだと思いますが、
今回の旅では度小月本店に行けなかったので、
一度は台南本店で食べてみたいなぁと思いました。
←タクシーに乗って10分ほどすると
町の中心部から少し外れたエリアに入りました
←台北では最近あまり見かけなくなった檳榔屋さん
私は試したことがないのですが
噛みタバコのようなものらしいです
日本には持ち込み禁止になっていますので、買う際はご注意を
←安平エリアに近いシーフード料理店
台南名物のサバヒーという魚が食べられるらしいですよ
そして、ホテルからタクシーに乗ること25分。
この日最初の目的地、
安平樹屋に到着。
ホテルからここまでタクシーで195元(約740円)でした。
←チケット売り場
チケット売り場は、入口のすぐ横にあります。
入場料は50元(約190円)なのですが、
この安平樹屋のほかに、安平古堡、億載金城、赤崁樓の4か所入れる
古蹟漫遊券というチケットが150元(約570円)だったので、
全部行くかどうかは別にして、
こちらを買ってみることにしました。
↑こちらの4つの施設に入れます
4つの施設とも、個々にチケットを買うとそれぞれ50元なので、
少なくとも3つの施設に行けば、損をすることはありません。
ちなみに、私はチケットを購入したときに気が付いていなかったのですが、
このチケットを持っていると、
施設内にあるお土産屋さんやカフェなどで、
10%の割引があるようです。
←書いてあったのに、気づかなかったー
←割引が適用されるお店はこちらです
私たちは行きませんでしたが、
十鼓仁糖文創園區も25%割引、
国立台湾歴史博物館も半額になり、
1日で全部を周り切らなくても、この年の大晦日まで有効だったので
徹底的に台南の古蹟を見て回りたい方には、なおのことお勧めです。
何はともあれ、中に入りましょー。
中に入ってみるまで知らなかったのですが、
安平樹屋というと、
ガジュマルの木に覆われた建物だけがどーんとあるのかと思っていたら、
ほかにもいくつか見どころがありました。
←もらった小冊子にあった内部の地図
というわけで、まずは、メインとなる安平樹屋の手前にある
徳記洋行から見に行くことにしました。
←こちらは入ってすぐのところにある
朱玖瑩という人の旧居
1900年代前半に活躍した書家として有名な方だそうです
←こちらが徳記洋行
徳記洋行は、1867年に設立した元イギリスの貿易会社で、
今は株式会社に形を変えて
台北で営業しているそうです。
台南の特産品の一つである塩や、茶葉、砂糖、
さらにアヘンなどを扱ったほか、
銀行や保険業なども営んだそうです。
←当時塩を運んだ樽と同じ大きさのもののレプリカ
←当時の塩を運んだ様子
徳記洋行の中へ入っていきます。
←塩を運ぶ際の説明
←当時の小判
←美麗な寅さん!?
←日本語の説明があるのはうれしいですね
←廊下に台南の歴史年表が
中は、ちょっとした博物館になっていて、
当時の貿易の様子や、歴史、当時使われていた道具などが展示されています。
徳記洋行そのものの歴史だけでなく
台南というエリアで、オランダ、日本などに統治され、
翻弄されながらも、発展してきた様子がうかがえます。
←茶葉の貿易も
←こんな風に運んでたんですねー
←当時のタイプライター
徳記洋行は2階建てになっていて、
ぐるっと見て回って、2階から出るような形になります。
←2階の外の廊下
昔はこちらが正面玄関だったんだろうな、と思うのですが、
階段を下りるとすぐ、閉められた扉がありました。
個人的には、ものすごく興味深いものがあるとか、
見どころがあるというほどではなかったのですが、
当時の様子を思い浮かべながら、
雰囲気を楽しむことはできました。
←建物のすぐ横にあった石碑
←何が書いてあるのか全然わかんなかったけど(笑)
←徳記洋行を出たところにある
スーベニアショップ
スーベニアショップを見たいのは山々でしたが、
ここは後回しにして、
先に、ハイライトの安平樹屋を見に行くことにしました。
←安平樹屋の入口
←牛肉
←木が絡みついた壁
ガジュマルの木が絡みついたその横に
小さく作られた入口。
こちらをくぐって、中に入ると…
←入ってすぐの部屋
←鉄製の梁で支えられています
←横の部屋をつなぐ窓
階段があって上れたので、
まずは、部屋を上から見てみることにしました。
←階段脇にも木が
←大量にぶら下がるつる
←さらに上がって行きます
←木の枝(根?)が屋根のように
←奥の部屋から木が突き出ています
←真ん中から突き出ている木の近くへ
屋根のように枝が覆い、
さらに、奥の部屋には大きなガジュマルの木が大きく枝を張っています。
安平樹屋は、もともと徳記洋行の倉庫として使われていた建物で
(これも、中に入ってから知ったんですけどね。笑)
日本が台湾を統治すると、「大日本塩業株式会社」の
倉庫として使われるようになったそうです。
そして戦後になり、
大日本塩業の事務局が移転すると、この倉庫は廃墟となり、
年月が経つうちに、ガジュマルが生い茂って、建物を覆いつくすようになったそうです。
←階段を下ります
←隣の部屋へ
階段を下りて、隣の部屋へと移動。
安平樹屋で一番大きい部屋に出ました。
壁をびっしりと覆う根。
さきほど、上から見た時に真ん中から突き出ているように見えた木が、
ここに根を張っています。
←その木を下から見上げたところです
←足元にも根が張っています
そして、この部屋の中には、
不思議なオブジェが。
←アルミで造られた妖精
←ちょうちょ!?
このときはよくわからなかったのですが、
後で調べてみたら、安平樹屋では、
地元のアーティストとコラボして、芸術品を展示をすることがままあるようです。
←さらに奥の部屋へ
←根が屋根のようになっています
そして、さらに奥へと進んでいくと…
←部屋の奥の方もすごいことになっています
←音楽イベントも行われるようです
←ちょっとホラーっぽいですね(笑)
そして、この奥の部屋にも階段があったので、
上ってみました。
一番大きな部屋を、上の別角度から見られました。
←すごかったので、感動の自撮り~
階段上に造られた廊下を渡って行くと。
←奥にある生態池が見えました
←階段にも枝が渡っていて、よく見ると…
←頭上注意の意味です
身長175cm以上ある人はぶつかりそうです
安平樹屋は、これでほとんど見どころを見終えた感じなのですが。
私たちは、安平樹屋に来るのが初めてだったので、
さらに奥の方にある生態池の方がどんな感じになっているのか、
ちょっと見に行ってみることにしました。
←安平樹屋の奥にある生態池へ
←遠くに鹽水渓が見えました
←ブリッジがあったので、渡って行きます
←ブリッジの先にもガジュマルが
でもって、自分でも笑ってしまうのですが
生態池の写真を撮り忘れまして(笑)
フツーーーーの貯水池でしたよ(笑)
ブリッジから戻ってきて。
←安平樹屋の中にある
ガジュマルの生態や安平地区についての展示
←基本入口のドアは低め
←スーベニアショップ
樹屋を出て、最後はやっぱりスーベニアショップ。
正直なところ、スーベニアショップにはさほど期待していなかったのですが
これがなかなかどうして、案外オシャレ。
←台湾にもある記念コインのお土産
←ハーブで作られた蚊よけスプレー
←昔懐かし、パチンコゲーム
こちらは非売品です
←なかなかマニアックな安平古堡の模型
350元(約1330円)
←重いから買わなかったけど
台南限定販売のローカルビール「成功ビール」
名前もいいし、お土産に良さそうですよね
←同じく成功ポテトチップス
台南には、成功大学を中心に
「成功」と名の付く建物や商品がいろいろあります。
中国が明という名前の時代だった1600年代に
中国から台湾に渡り、鄭氏政権の祖となった台湾のヒーロー
鄭成功にちなんで名づけられているんですね。
ちなみに、この鄭成功、
お父さんは中国人ですが、お母さんは日本人の長崎・平戸生まれ。
日本で言えば、徳川幕府が樹立して鎖国を始めたころの平戸生まれということで、
大昔のヒーローですが、そういうことを知ると、
ますます台湾に親近感がわいてきますね。
スーベニアショップはけして大きくはないですし、
商品の数も多いわけではないのですが、
ほかにもTシャツやバッグ、ドリンク、マグネット、キーホルダー、などなど
なかなかオシャレなデザインのものがそろっていて、
ここで買わなくても後で買えるかなと思って、ここでは買わなかったのですが、
漫遊券で10%安くなると気づいていれば、
こちらで買っておけばよかったかな、と思ったものもありました。
それに、漫遊券で回った4つの古蹟の中では、
こちらのスーベニアショップが一番充実していて、
何かお土産を買いたいと思っているのであれば、
個人的には、4つの古蹟の中ではここが一番お勧めです。
そんなこんなで、安平樹屋の見学に費やした時間は、1時間。
なかなか楽しい見学でした。
←外へ出て改めて入口の写真を撮りました
看板には「安平樹屋」ではなく
「朱玖瑩旧居」とあったんですね
←安平地区の地図