3日目その⑤ 映画「悲情城市」の面影残す九份の階段(2007年1月20日)




    台北市内から約1時間半ほどの町九份(チョウフン)

    その九份といえば、やはりなんと言っても、

    
1989年の映画「悲情城市」をなくして語ることはできない。




     
19世紀末、金が発掘されたことにより

     まさにゴールデンドリームの町として栄えた九份だったけれど、

     その後、徐々に採掘量が減り、ついには金鉱が閉山。

     以来、衰退していたこの町を

     一気に人気観光地にせしめたのが、この

     
候孝賢(ホウ・シャオシェン)監督のベネチア映画祭グランプリ作品

     
「悲情城市」なのです。









          
←有名な階段を上から見たところ




     山の斜面に、くねった8の字を描くように細い道が切り開かれた九份

     その道沿いに、多くのお土産屋さんや食べ物屋さんが並んでいることは、

     3日目その③謎の食べ物がいっぱい!九份を散策でも


     
ご紹介したけれど、

     その8の字の真ん中を、縦に割るような感じで通っているのが、

     
悲情城市のロケ地として、有名な階段。




           
←階段の両脇にも店が立ち並ぶ

           

           
←階段の途中にトイレが。

                                                そこそこキレイで安心して入れる





    赤提灯がぶら下がったこの階段脇にも、

    多くの茶芸館が立ち並び、客引きをしている。




    ただ、この通りには、屋台のようなお店はないし、

    なんと言っても、そこここに
「悲情城市」の文字が見られ、

    これまで見てきた通りとは、

    ちょっと一線を画した情緒ある雰囲気が漂っている。




        
←階段のあちこちに「悲情城市」の文字

                                     ひらがなでルビがふられているあたり
   
                                     いかに日本人観光客が多いかがわかりますね


        




    こうした「悲情城市」ゆかりの階段で、一番注目なのが、

    この階段を下りきる手前にある茶芸館

    
「小上海茶飯館(シャオシャンハイチャーファングァン)」




          
←小上海茶飯館の入口

          
←悲情城市の撮影現場であることを
     
                                       しっかりアピール





    私たちは、この階段に来る前に

    
「九份茶坊」でお茶をしたばかりだったので、

    この店には、入らなかったのだけど、

    (詳しくは3日目その④伝統の茶芸館 九份茶坊で一休みをご覧下さい)

    
“悲情城市のロケ地”ということもさることながら、

    入口からちょっとのぞいてみただけでも、

    めちゃ雰囲気があって、イイ感じ。




    もしまた来ることがあったら

    今度はこのお店に入ってみたいな。









          
←階段を下から見上げたところ

          

          
←階段下にあるプレート




    これこれ!

    これぞ、
ザ・九份って感じの眺めやね~~~!!




    この階段を、真ん中の広い踊り場まで下りきったところで、

    日本人ツアー客の団体とすれ違った。




    すると…。




    
「この階段で、みんな写真を撮りまぁ~~す。

    
ハイ、これ決まりぃ~~~」




    と、中国語なまりの日本語を話すガイドさんが

    集合をかけ、パチリとやっていた。




    普段は、団体ツアー客にぶつかるのがどうも好きになれない私だけど、

    ガイドさんの
「これ決まりぃ~」という言い方と、

    階段で仲良さそうに集合写真を撮る感じが

    なんとも微笑ましくて、

    これも、
ノスタルジーマジックなんかなぁ~と思ってしまった。




    そして、この踊り場にあるのが、

    
1986年に閉館となった映画館昇平戯院




          
←昇平戯院跡




    台湾版「ニューシネマパライダイス」!????




    すでに廃墟となっているこの映画館。

    中には入れず、建物だけが残っています。

    でも、そこにはなぜか寂しさよりも

    セピア色の想い出のように、

    けして触れられない宝箱のような雰囲気を醸しだしていて。




    こんな優しさや懐かしさが、

    この町の魅力であり、

    多くの観光客を惹きつけてやまない理由なんだろうなぁ~。




             
←1987年の候孝賢監督作品

                                                   「恋恋風塵」の看板が。

                                                   「悲情城市」じゃなくて「恋恋風塵」ってのがオツ。


             
←ホント来たかったんです!感動~