2日目その⑥ バチカン美術館④いよいよシスティーナ礼拝堂、ピナコテカへ(2009年10月10日)
←階段を下りて下の階へ
燭台のギャラリー、タペストリーのギャラリー、地図のギャラリー、
そしてラファエロの間と、
上の階を見た後は、階段を下りて、再び下の階へ。
←ボルジア家の間
←現代宗教美術コレクション
ボルジア家の間、そこから続く現代宗教美術コレクションの部屋を
通りすぎると……
うおおおお。
キターーーーーー!!
バチカンのハイライト中のハイライト
システィーナ礼拝堂(Cappella Sistina)だ!!
おもわず、天井、そして「最後の審判」へとカメラを向け…
「セニョーラ、ノン!!」
えっっ!!!私!???
「NO PHOTO!!」
な、な、なにぃぃぃ~~~!!!
今までさんざん撮りまくってきたのに、
なぜかシスティーナ礼拝堂だけは、
ノーフラッシュでも写真撮影が許されなかった。
がががががーーーーーーん。
11年前は許されたと思ったのに…
ショック。
仕方ないので…
←ご存知、「創世記」を描いた天井画
←天井画の一部
15年前、初めてバチカンに来たときに買った絵葉書の写真でご勘弁を
にしても、うーん。
相変わらず素晴らしいなぁ。
天井だから素晴らしいんだけど、
近くに行って、見てみたいな。
←アダムの創造
←天と地の創造
←楽園追放
←デルフォイの巫女
レーシック、やってよかった~~~~!!
それに…
やっぱりもう一度見に来てよかった。
もちろん、前回見たときも
前々回見たときも
毎回心に焼き付けているつもりだけれど、
やっぱり、天井の広さ、高さ、礼拝堂の大きさ、
いろんな意味で、
こんなだったかなぁ。と、改めて思う部分や、
勉強してから、改めて見て、
いろんな角度から見直してみると、
なるほど~と思う部分もあったりして。
巨大な天井画と「最後の晩餐」に
改めて感動する。
に、しても…
確実に、前回と違うのは……
人、多すぎ!!!
10月って、観光シーズンだから??
それとも土曜日だから??
もしかして、毎日こんな感じなの??
とにもかくにも、けして狭くない礼拝堂の中に、人がいっぱい。
礼拝堂の壁沿いは椅子になっていて、
座って天井を見上げることができるようになっているのだけど、
その椅子が、人でいっぱい。
天井画に夢中になって、相棒とはぐれると、
どこにいるのか、わからなくなってしまうほど。
もう少し、落ち着いて心ゆくまで見られるといいのにな。
←最後の審判(写真は同じく絵葉書です)
←中央のキリスト
システィーナ礼拝堂は、めちゃくちゃ混雑していて、
ちゃんと見たような見れなかったような、
でも、一応堪能したつもりで外に出る。
次の部屋は…
←礼拝堂を出て次の部屋へ
あれ~~~!??
ココはどこ~~~??
こんなところ、前回も通ったっけなぁ~~~??
てか。
ピナコテカ(絵画館)は、どこ~~??
ピナコテカは、
私が、システィーナ礼拝堂、アテネの学堂の次にどうしても見たいと思っていた
ラファエロの「キリストの変容」という絵があるギャラリーで。
私のあやふやな記憶は、
ラファエロの間と、「キリストの変容」あたりの順路が入り混じっていて、
てっきりピナコテカは、ラファエロの間とシスティーナ礼拝堂の間にあるとばかり
思い込んでいて、
おもわず順路をとばしてしまったのかと、
焦ってしまった。
実際には…
←システィーナ礼拝堂から続く
バチカン図書館
システィーナ礼拝堂からは、
バチカン図書館(Biblioteca Apostolica)へと続いていて。
上の写真は、第12室 聖ピウスⅤ世礼拝堂。
←第11室から第10室へと続くところ
←第10室
第10室 アルドブランティーニの婚姻の間。
フレスコ画の連作が描かれている。
廊下をずっと抜けていくと、
図書館の中のもっともみどころである
第5室 サローネ・システィーノと呼ばれる
見事な天井と、美しい中世の楽譜などが見られる閲覧室があるのだけれど、
残念ながら修復中で、このときは見ることができなかった。
←さらに図書館を抜けていく
第13室から第1室へと続く長い廊下になっている図書館を抜けていく。
実際には、本が置いてあるいわゆる図書館というよりは、
展示品を置いてある廊下という感じだ。
←図書館を出ると…
図書館を通り抜けると、外へ出た。
ここからは、向こうの方に、
サン・ピエトロ大聖堂のクーポラが見られる。
朝の土砂降りがウソみたいで、
キレイだなぁ~~!!
←クーポラ
ところで。
このときの私は、
実はちょいとばかり焦っていた。
前述したけれど、
図書館が終わっていったん外へ出てしまったものだから、
てっきりピナコテカをいつの間にやら通り越して、
出口に出てしまったと早合点してしまったのだ。
おまけに。
バチカンで有名なエスカルゴの階段も下りてないし、
ラファエロの間の「聖ペテロの解放」は修復中で見られなかったし、
(ラファエロの間については、コチラをどうぞ)
図書館も、一番きれいなサローネ・システィーノが見られなかったし、
システィーナ礼拝堂は、写真が撮れなかったし、
せっかくキレイに見えてたクーポラも、
このときの私はそれどころじゃなくて。
こんなんだったっけ??
こんなんだったっけ??
どこでショートカットしちゃったんだ??
どうやって戻ればいいんだ?
つーか、順路を逆戻りなんか出来るのか??
と、頭の中はぐっるぐる。
あわてて、警備員さんに
「ピナコテカはどこですか??」
と、たずねると…
おじさんが、笑顔で指差した先に…
←奥に小さな入口がありました
←ピナコテカの入口
うおおおお。
あったぁぁぁ~~~~!!!
ピナコテカの入口だ!!!
ピナコテカってこんなだったっけっか。
いやぁ。
まるっきり記憶と違っていて。
改めて、もう一度来てよかったなぁと思う。
次回行くときは、このホームページで、また確認して行けるもんね。
ちなみに。
あとから調べてわかったのだけど、
このクーポラが見える庭を、
ピナコテカの庭(Cortile della Pinacoteca)
と、言うらしい。
知らなかったぁぁ~~~!!
ドキドキしながらピナコテカ(Pinacoteca)入っていくと、
第1室に入る、手前のスペースに
これがあった。
そう。
ミケランジェロのあまりにも有名な彫刻
「ピエタ」
の、レプリカ。
本物のあるサン・ピエトロ大聖堂は、
防弾ガラスに守られて、大勢の人をかきわけながら見なくちゃならないけど、
ココは、人気がないのか、
はたまたレプリカだからか、立ち止まる人もなく、
みんなスルー。
だけど、サン・ピエトロ大聖堂では不可能な
こんな写真だって撮れちゃうんだよー。
←ピエタと記念写真
←ココなら、こんな風に
マリア様の顔を下からのぞくこともできるよ。
逆光だけど…
ニッコロとジョバンニによる「最後の審判」が飾られている
第1室を通り抜け、第2室へ。
この第2室で、なんといってもチェックしておきたいのが…
←第2室の真ん中に、でんとあります
ジョットの「ステファニスキ三連祭壇画」。
1315年ごろのものと言われていて、
旧サン・ピエトロ大聖堂の主祭壇画として描かれたもの。
それが、今のピナコテカに保管されている。
続いてお隣の、第3室は…
フィリッポ・リッピの「聖母の戴冠」
この第3室には、
ほかにも、フラ・アンジェリコの「聖母子と聖ドミニクス」なんちゅー絵画もあったりして、
なにげに侮れない。
ううう!
ラファエロにたどり着くまでに、
こんなに次から次へと名画があったっけ!??
さすがバチカン。
みんなどんどんスルーしてくけど、
さりげなすぎる。
ふう。
あ、いや、こんなところで疲れていてはいけない。
次の第4室は…
うぎゃあ!!
メロッツォ・ダ・フォルリの、一連のフレスコ画
ご存知「奏楽の天使達」だ。
いや、申し訳ない。
こんなところにあるの、すっかり忘れてた。
11年前に見たはずなのに。
やべやべ、勉強不足が露呈してしまった。
つくづく人の記憶って、当てにならないもんですねぇ。
ピナコテカはラファエロの「キリストの変容」と
ダ・ヴィンチの「聖ヒエロニムス」さえ見られればイイ的な
超超超~~ミーハーな気持ちでしかありませんでしたが。
見どころ、満載すぎーーーー!!(笑)
さらに、みどころは続く。
第6室のニッコロ・ディ・リベラトーレの巨大な祭壇画、
「カメリーノ三連祭壇画」
そして、つづく第7室を抜けて……!!!
←第8室
キーーーターーーーー!!!!
うっうっうっ。
一時はたどり着かないかと思ったよーーー。
(いや、おっちょこちょいな私が勝手にそう思ってただけで、
順路どおりに普通に歩いていけば、なんの心配もありません。笑)
と、いうわけで。
ラファエロの「キリストの変容」。
こんなに大きいキャンバスだったっけなぁ。
以前見たときよりも、大きく感じるのは、
気のせいかな。
展示の仕方のその角度のせいか、
はたまた絵の力のなせる技か。
天に昇るキリストとともに、
吸い込まれそうな気持ちになる、不思議な絵だ。
←「キリストの変容」の上手にある
「聖母の戴冠」
←下手にある「フォリーニョの聖母」
(photo by こみちゃん)
ふう。
満足ぅ~~~。
ココにも椅子があるので、
座ってゆっくり見る。
システィーナ礼拝堂の、信じられないくらいの混雑具合や、
ラファエロの間の狭さから考えると、
ココは、ほんとにのんびり絵画を鑑賞できて、幸せ♪
←ミーハーですから。(笑)
もっともフラッシュはたけないので
顔はかなり暗いですが。
←タペストリーの「最後の晩餐」も
興味深い。
レオナルド・ダ・ヴィンチの名作
「最後の晩餐」の原画をもとに
1532年に作成されたもの
(これはラファエロとは何も関係ありません)
そして、もう一つ。
隣の部屋の第9室には、
バチカン見学最後のハイライト
レオナルド・ダ・ヴィンチの「聖ヒエロニムス」が。
←「キリストの変容」を見た後だからか
とても小さく感じます
レオナルド・ダ・ヴィンチは、
「最後の晩餐」や「モナリザ」「受胎告知」など
有名すぎるほどに有名だけれど、
現存する絵画は、わずかに17点。
(素描やスケッチなどは、大量に残っています)
この「聖ヒエロニムス」は、
言うまでもなくその中の1枚なのだけど、
実は未完成の作品。
←ヒエロニムスの顔。
顔から胸にかけては、
だいぶ出来上がっているのだけど…
←右腕&左手や…
←足元のライオンを見ると…
ヒエロニムスの顔、コワッッ!!
あ、注目はソコじゃないですね。
そうそう、顔以外のところに目を向けると、
まだ下絵の状態のままで、
途中でやめちゃったのが、シロートでもわかる中途半端っぶり。
できあがってたら、どんな絵になってたのか
想像しながら見るのも楽しい。
←第10室
ジュリオ・ロマーノの「聖母の戴冠」
←第12室からは、外がのぞけます
←美しい中庭とクーポラが見えました
さきほどのピナコテカの入口へと戻ってきた。
ピナコテカを出ると、
上に戻る階段があって…
←階段には、歴代ローマ教皇の似顔絵と
紋章が飾られていました
←階段を上ったところに
郵便局がありました
この郵便局の前から出口を出ると……
←エスカルゴの階段
←階段をのぞきこんで
前に来たときは、ココが入口だったような気がするんだけど、
きっとこの10年で変わったんだねー。
(私の記憶違い??)
←うずまきを囲むように
お土産屋さんが並んでます
←天井はガラスになってます
このエスカルゴの階段を下ったら、
今度は正真正銘、ホントの出口だ。
今度バチカンに来るのは、いつになるんだろう。
おもわず一歩一歩、踏みしめながら階段を下りる。
←階段
←途中で見ると、こんな感じ
←見えないと思うけど…(笑)
(photo by こみちゃん)
下に着いて、時計を見ると、
11時50分。
9時45分くらいに入場したから、
見学はおよそ2時間だ。
あらま。
入場予約しておいたせいか、
はたまたすでに3回目で、けっこうサクサク見たせいか
思ったより時間がかからなかった。
11年前に来たときは、
4~5時間くらいかかって見学したような気がしたのに。
これなら予定どおりこのあとのスケジュールもこなせそうだ。
さあ、続いて
サン・ピエトロ大聖堂へと行きますか!!
←出口
←出口はこんなんなってます
←出口から入口の方を見たところ
あいかわらずの大混雑